「同窓会に行けない症候群」、鈴木信行著、を読んでみました。
なぜ人は同窓会に行けなくなってしまったのでしょうか。
この本では、以下の4つの仮説が記載されています。
- 会社で出世できなかった
- 起業で失敗した
- 好きなことを仕事にできなかった
- 仕事以外の何かを見つけられなかった
①会社で出世できなかった
昭和では、会社の仕事はマックジョブやドラクエのレベル上げだと言われ、誰でも出世する仕組みだった。
しかし平成では、クリエイティブジョブや成果主義になり、仕事の難易度が上がり誰でも出世できるわけではなくなった。
その結果、年下上司、つまり自分より年下の人が上司になり自分は出世できない人が増えた。
そのような理由から、同窓会に出世しても肩身が狭くなってしまったのだ。
②起業で失敗した
起業した後の会社の5年後生存率は増えていて、現在では8割を超える。
しかし、企業の状態は、リビングデッド、つまり死んだまま生きている状態で、売り上げなどが増える見通しがないものが多い。
事業を立ち上げて会社を売却したら、手元にお金が残らず時間をただ無駄にしてしまったAさん。
690万円を借金し事業を始めたが、失敗し借金だけが手元に残ったBさん。
起業しても成功するのはほんの1部で、ほとんどは失敗に終わる。
起業して失敗した人は同窓会に行けない。
③好きなことを仕事にできなかった
バイクが好きな人がバイク便ライダーをやっても、収入が少ないので辞める人が多い。
子供が好きで教師になった人は、残業時間が増え私生活を犠牲にして体を壊してしまう人が多い。
好きを仕事にできる人なんてごく僅かだ。
④仕事以外の何かが見つけられなかった
ワークライフバランスが実現されている国、デンマーク。
午前8時から午後4時まで働いて年収は1000万を超える。
家に帰ってからの時間を自分の好きなこと、子育てや趣味に当てられる。
デンマークは国民の幸せ度数も高い。
一方、米国ではFIREムーブメントという、早期退職、アーリーリタイヤが流行っているようだ。
若いうちに余生を過ごすだけの貯金(1億円)を貯めて早々にリタイヤする。
日本で、それだけ稼ぐには、外資系銀行や外資コンサルに入社しなければならず、とても狭き門だ。(外資銀行や外資コンサルの年間の採用枠は100人程度。)
東大をはじめとするトップ校を出ていないと難しい。
多くの人はワークバランスのある会社に入ることもできなければ、貯蓄を貯めてアーリーリタイヤすることもできない。