集荷という言葉を知らなかった

最近こんなことがあった。生まれてくる赤ちゃん用の布団をネットで注文したのだがサイズを間違えて頼んでしまった。ミニサイズとレギュラーサイズは別物らしい。ショッピングサイトの連絡先に問い合わせたところ、1度返品して再注文してくれとのこと。荷物を他の人に送ったことがない私はここで困った。どうやったらダンボールを先方に届けられるのだろうか。5年ほど前、会社の研修のための荷物を東京⇨名古屋に送ったことがありその時はコンビニを使って荷物を送ったことを思い出した。布団の入っているダンボールのサイズは合計(縦横高さ合計)160cm程度で運ぶのは大変だったがなんとかコンビニに運んだ。しかも雨。

「このサイズは受け取れませんよ。」私の苦労とは裏腹に初老のコンビニ(セブンイレブン)店員の言葉は無慈悲だった。合計160cm以上のものは運べないようだ。「佐川のやつでやって下さい。」とコンビニ店員は言葉を続けた。「佐川のやつでやって下さい??」、ここで普通の人なら「集荷」という言葉を連想するのだろうが私には意味不明だった。家に帰って調べてみるとWeb集荷サービスというものがあるらしい。つまりこれでネット申し込みすれば家まで集荷に来てくれる。最初からこれを頼んでおけばよかった。

恥ずかしながらこれまで生きてきて30年間、「集荷」「元払い」という言葉を知らなかった。それほど自分で他人にモノを発送する機会がなく、受け取ることしかなかった。自分からモノを人に提供したことがなく、消費者として生きてきた。私の同様、大多数の人はモノをアマゾンで注文し受け取るだけであろう。しかし、モノを受け取るというのはサービスを享受していることであり、消費しているということでもある。情報も同じだ。ググる人とググる人に対して情報を提供する人。両方ともPCを使っているという点は同じだが、前者と後者で役割は大きく異なる。情報発信者は情報提供者に比べてものすごく数が少ないが、情報提供という労働の対価として広告、アフィリエイトで収入を得ている。

商品を発送する人、受け取る人という2つの観点で考えた時に、私を含め大多数の人は受け取ることしか行なっていない。しかも物流が発展した現代においてそれが当たり前だと思い込んでいる。しかし、モノを受け取れば受け取るほど消費をしているのであり、自分の資産は減っているのである。最近は、ヤマト運輸の人が大量のダンボールを車で運んでいる姿を目にする機会が増えた。誰でも商品さえ持っていればネットで発信、販売できる時代。サービスを受けるだけでなくサービスを提供する人になりたいと思った。商品の返品というしょうもない出来事だったけど、返品するための集荷依頼をしてみて、自分がいかに普段他の人から商品やサービスを受け取っているのか実感した日でした。

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