「自分のアタマで考えよう」を読んでみた

「自分のアタマで考えよう」、ちきりん、読んでみました。

本の内容をまとめます。

思考と知識は違う

プロ野球の年齢別ファンのグラフ(若者よりも年配の方のファン層が増えている)を見て思うことを列挙するようにお願いした。A君はプロ野球の未来が暗い、なぜなら若者のプロ野球離れによって将来的にファンの数は少なくなると回答。一方B君は、お金と暇を持て余している高齢者がファンになっているため、プロ野球の未来は明るいと回答した。このようにプロ野球ファンの高齢化という問題を考えた時に、良い面だけもしくは悪い面だけを列挙するのは「知識」に基づいた判断だ。良い面、悪い面の両面を検討することが「思考」である。

なぜ?だから何なの?と考えること。

なぜなのか?だから何が起きて何が問題なのかを考える癖をつけること。出生率と特殊合計出生率(一人の女性が生涯産む子供の数)の推移グラフがある。戦後の数年間(1947-49)と1970年前半は出生率が多い。なぜこの時期の出生率は多いのか。戦後は男性が家庭に戻ってきたことで第1次ベビーブームが起きたのです。この時期に生まれた人たちは団塊世代と呼びます。彼らが成人して大人になった1970年代前半に第2次ベビーブームが起きる。団塊世代が子供を作り始めた。では出生率の低下、つまり人口の低下によってどんな問題が起きるのか。人口が減るのは問題ではない。先進国の中でも日本は人口が多い、問題は人口バランスが崩れること。2050年には40歳未満の割合が3割を切ると予想されている。稼ぎ手とお金が不足し、働いていない人を扶養することができなくなり、高齢者の面倒を見る人もいなくなる。

あらゆる可能性を抜け漏れなく考える

生活保護受給額を減らすにはどうすれば良いのか。生活保護受給額は、受給者*受給額です。つまり、受給者の人数を減らすか、受給額を減らすかのどちらかだ。受給者の人数を減らすには、新規受給者を減らす方法と既存の受給者を減らす方法の2つがある。分解図を書くことで漏れを無くすことができる。格安生活圏を作る方法もあり。週ごとに契約できるアパート、安い料理を提供する屋台、無料だけどたまに停電する電気が提供される。

縦と横に比べる

時系列と他者(他国、他人)を比べることで見えてくるものがある。本書では世界経済の発展について、戦勝国、敗戦国、共産陣営を横軸、縦軸に20年ごとの出来事をまとめている。1950-60年は、ブレトンウッズ体制が敷かれ、ドルが世界の標準となった。この時期にはアメリカ、イギリスの戦勝国が発展を遂げた。1970-80年には、敗戦国日本の景気が高度経済成長やバブルによって良くなる。日本製品の質が高いと認知されたのもこの時期。1990-2000年には、中国、ロシアの共産陣営が成長、中国は世界の工場として目覚ましい発展を遂げる。一方日本はバブルが弾け失われた20年を経験することになる。このように他国と時系列を比べることで、経済が潤っている国とその煽りを食らって衰退している国を整理することができる。

判断基準はシンプルに

レストランを選ぶ時に値段や場所、雰囲気など多くの項目があればあるほど決定しづらくなる。逆にランチは300円以下のように決めてしまえばお店は限られてくる。婚活女子も同様で、年収と相性の2軸の表(ツーバイツーマトリクス)で相手を判断している。大手企業で成功する人を採用するのも同様に、空気が読めるか、忍耐強いか、の2軸で判断すれば良い。

データをトコトン追いかける

日本は世界で3番目に自殺率が高い。その理由は健康問題、経済問題、勤怠問題の順番に高い。しかし、男性の場合、経済+勤怠を合わせると、健康問題(体の悩み、うつ病)を超える。つまり、仕事やお金で悩んで自殺する男性が多い。1980年代後半に男性の自殺率だけ異常に増えている。これは山一證券や北海道拓殖銀行が破綻したのに関係がありそうだ。また、国別で見ると、アジア地域の国である韓国、日本、香港が上位にランキングしている一方で、中南米の国、ブラジル、アルゼンチン、メキシコの自殺率は低い。

思考の棚を持つ

3.11の事件があった時の各メディアの報道の仕方は全く異なるものだった。イギリスのBBCは歴史的背景について分析し、アメリカのCNNは現場のパニック状況を伝え、NHKはビル内にいた日本人被害者の名前を読み上げていた。もしテロが起きた場所がイギリスであったらどうなるのか。BBCは自国のテロだから現場のパニック状態を放映するのか、それとも3.11の時のように歴史的背景について分析を行うのか。国とテロの発生箇所についてマトリックスを作り仮説を考える。これが思考の棚を持つということ。

感想

ちきりんさんの本を読むのは3冊目ですが、この本はベストと言って良いくらい面白いですね。

まず全体を通じてわかりやすい表現で書かれているのでスッと頭の中に入ってきます。

データやグラフから何が読み取れるのか、あらゆる視点から分析しています。

 

例えば、自殺率の問題。

なぜ日本では自殺率がこんなにも多いのでしょうか。

健康の問題、つまり鬱病や体の病気が主な原因のように見えますが、男性だけでみると「お金や仕事」が引き金になって自殺につながるケースが多いことが分かります。

大手銀行の倒産によって路頭に迷った人が自殺すると言った考え方も、なるほど!と思いました。

 

あらゆる可能性を抜け漏れなく考えるやり方はMECE(ミーシー)と呼ばれビジネスの場でも用いられています。

生活保護受給者の問題を分解してそれぞれの対策を考える方法は、様々な分野に応用できそうです。

 

この本を読んだ後にどのように自分の思考を生み出すことができるのか、少しわかったような気がします。

ABOUTこの記事をかいた人

のっくん

のっくん。理系院卒で大企業に就職。趣味は、読書、プログラミング、英会話、筋トレ、旅行。 Twitter:@yamagablog