概要
著者は電通出身でコピーライター。学生時代は6000冊を乱読。ネットで映画の評論記事を書き数百万PVを稼いだ。
この本の表紙には、「人生が変わるシンプルな文章術」と書かれているが、文章の術や書き方が書かれているわけではない。バズる文章の書き方など存在しないとバッサリ。文章を書く上での心得が書かれている。
随筆とは何か?ネットで読まれている文章の多くは随筆である。随筆は、事象(ファクト)について調べて自分の心象を述べたものだ。事象だけを述べたものは報道であり、心象だけを述べたものは小説家や詩人が作るものだ。事象を見て調べ自分の感想を述べるのが随筆。つまり、映画評論は書評は随筆に当たる。人間は事象について思ったことを書きたいし、読みたいのである。
自分の内面を話す人はつまらない。「私、ブロッコリー嫌い。」と言うのは自分の内面だけを話している人でつまらない。「ブロッコリーの嫌なニオイはイソチオシアネートだよね」とファクトを伝えると人は興味を持つ。
物書きの99%は調べることである。図書館に行き1次資料を見つけて調べる。図書館で本を探すときには司書に相談するのが良い。
書くことはたった一人のベンチャー起業だ。価値ある意見を書いていれば必ず値段はつく。
感想
コピーライターって何しているかわからない職業だったけど少しわかった気がする。
広告の文章とかを考えている人。
映画のレビュー記事を書いたり、石田三成について調べて文章を書くといったこともしているようだ。
つまり、何かを調べて文章を書くプロってこと。
大学のレポートとかものすごいクオリティで書きそうな人、それがコピーライターなのだ。
何かについて調べて文章を書いてお金をもらうってすごい素晴らしい仕事だと思うしやりがいもあると思う。
自分の知識も増えるから楽しい仕事だろうな思う。
もちろん大変な仕事も多いと思うので、あくまで外から見た私の感想。
そんな文章のプロフェッショナルが、文章を書く上で何を(What)、誰に(Who)、なぜ(Why)、どこに(Where)、いつ(When)、How(どうやって)届けるかを書いたのが本書である。
本の裏面に「ビジネススキル」と書かれているが、従来のビジネス書のように硬派な内容では無い。
むしろ、読み手が読みやすいように、また楽しんで読めるように書かれた本である。
ビジネス本と言うと内容が堅っ苦しく読むのが嫌になるが、そんな私でも楽しんで読むことができた。
この本のタイトルの「読みたいこと」とは、「事象に対して調査し感じたこと(心象)を自分が読んで面白いと思えるように書いたもの」と定義されている。
例えば、映画を見て気になることがあったら調べて面白おかしく感想を書いたものは、自分にとって読みたいものであると同時に他の人も読みたいと思う。
人が興味を持つ文章を書くにはファクトを大事にすること。
ファクトをベースに文章を書けば、自分の好きなことを書いても評価される。
ファクトを書くために1次ソースを調べること。
新書やWikipediaではなく、図書館の本を参照するべき。
この本の言いたいことをまとめると文章を書く上で大事なのは、
- 人が読みたい文章を書くためには、ファクトをしっかり調べて書く。
- 自分の感想は自分が読んでも面白おかしく書く。
正確な情報を調査する能力、面白い文章を書く能力、この2つを身につければ価値のある意見を述べられるようになりお金を稼ぐことができる。
ライターとして生計を立てれるようになったら幸せだろうなぁ。