君たちはどう生きるか、吉野源三郎、マガジンハウス、2017年発行。
地動説と天動説
コペルニクスは地球を中心に太陽や惑星が回っていると考える地動説に反論し、太陽の周りを地球が回転すると考える天動説を唱えた。
同様に世の中は自分を中心に回っているのではない。
自分の損得ばかり考えていると物事の真相は見えてこない。
自分は世の中の一分子であることを認識すること。
生産関係
粉ミルクの製造に多くの人が関わっているように、この世界の人々は見えないところで関わり合っている。
着るもの、食べるもの、住処は様々な人が働いて作ったものだ。
様々なものが知らない人達で成り立っていることは事実だが、知らない人同士で戦争があることも事実である。
本来の人間関係というのは、無償のギブで人を喜ばすことにある。
貧困
世の中の大多数は工場で働く人や田んぼを耕す農家のような貧困に苦しむ人達である。
貧困層の人達を蔑んではいけない。
何の妨げもなく勉強し自分の才能を伸ばしていけることに感謝すること。
ナポレオンの一生
偉大な人とは、人類の進歩に貢献してきた人のことを言う。
例えば、ナポレオンはナポレオン法典を作るなどして人類の進歩に貢献してきた。
ナポレオン法典は明治政府が初めて作成した憲法のベースになっている。
しかし、次第にナポレオンは権力のために権力を振るうようになる。
ロシアへの大遠征で多くの死者を出し、イギリスとの貿易の禁止し砂糖などの輸入品がなくなり多くの人が苦しんだ。
人類の進歩に有害となったナポレオンは世の中から必要とされなくなり島流しにされた。
正しい道から外れると心が痛む理由
人が病気になった時に、体の部位が痛むのは、異常であることを知らせるためである。痛みがなかったらそのまま悪化し死んでしまうかもしれない。
同様に、人と敵対したり不調和になることで不幸を感じ心が痛むのは、それがあるべき姿ではないことを知らせるためである。
人は周りと調和して生きていかなければならない。
正しい道から外れた時にそれを教えてくれるのが心の痛みや苦しみなのである。
正しい道に進むべきであるからこそ人は苦しむのである。