保育園に通えない子どもたち ──「無園児」という闇 (ちくま新書) Kindle版
「保育園落ちた、死ね」
この言葉に代表されるように東京都における待機児童問題は闇が深い。
保育園に入れない原因は様々だ。
- 保育園申請のハードルが高い
- 母親がフルタイムではなくパートで働いている
- 子供が発達障害を持っていたり医療ケアが必要だと保育園では対処できない
保育園に入るには区役所に申請する必要があるが、申請手続きがとても面倒だ。
住所を何回も書かないといけないし、勤務証明書などの会社にお願いして書いてもらわないといけない書類がある。
おそらく申請の段階で諦めてしまう親もいるのではないかと思われる。
例え申請できたとしても、希望の保育園に入れるわけではない。
定員数一人の保育園だと入れる可能性は低い。
そのため希望の保育園を複数書く必要がある。
私の住んでいる区では20箇所もの希望保育園を書いた。
そして1番の問題は、選考の点数制度だ。
週何日、何時間働いているか、を証明する勤務証明書が必要になる。
現実として両親が週5、フルタイムで働いていないと点数が低くなって保育園に預けるのは難しい。
だから、母親は専業主婦になるか、フルタイムで働いて保育園に預ける、のどちらかになる。
週3日パートで働いて、週4日子供を保育園に預けるといったフレキシブルなやり方はできないのである。
ところで本書では「母親が高卒未満の家庭(経済的に不利な家庭)では、3歳以前から子供を保育園に入れた方が良い」と書いてある。
経済的に恵まれていない家庭、お金がない家庭ほど早くから子供を保育園に入れた方が良いらしい。
へー、なるほど。