「自己肯定感を育てる子育て」、ダニエル・J・シーゲル、ティナ・ペイン・ブライソン、を読んでみました。
概要
自己肯定感を育てるために、キレない力、立ち直る力、自分の心を見る力、共感する力、の4つの力の発達が必要だ。人の脳は2階建になっており、1階は扁桃体、2階は前頭前野に分かれている。扁桃体は、怒りや恐怖を表すなどの素の人間の役割を果たし、前頭前野は感情のコントロールや計画を立てるなどの複雑な働きをする。前頭前野が発達し終わるのは20代半ば。幼児はこの部分が発達していないため、感情を爆発させてしまいやすい。
キレない力は、子供がグリーン・ゾーンに止まるための力だ。キレない力に必要なのはつながりと共感だ。親が抱きしめて、耳を傾けて共感することでつながりを作る。親が子供と共感するには、子供と同じ目線に座り「すぐすばにいるよ」と寄り添ってあげることが有効。
立ち直る力とは、子供をグリーン・ゾーンに戻す方法だ。マイナス脳で自己肯定感が低いと子供は、失敗した時に感情コントロールができなくなる。そうならないためにも、親は必要な時には後押しし、時にはクッションの役割を果たすようにする。子供は自分が支えられ愛されていると知れば、2階の脳が発達する。
自分の心を見る力は、自分を客観的に見る力だ。パニックになったりキレそうになった時には、胸とお腹に手を当てて息を吸って一休みしたり、感情に名前をつけて飼いならすこと。
共感する力は、他の人の心の内側に気づくこと。他の人の利益を求めることで自分を大切にする。他人を見て、なんで怒っているのか?なんで悲しんでいるのか?親が子供に質問することで子供の共感力を高めることができる。ボランティアや地域奉仕活動をしてみることで、関心の輪を広げるのも共感力を育てる1つの方法だ。
子供が良い大学に行くこと、スポーツで良い成績を取ること、良い会社に就職することが1番大事だと思っている親が多い。成功や達成は、学業やスポーツの成績で決まるものではない。子供の個性にそって成長できるようにすること。
感想
幼児は感情をコントロールできないため、パニックになったりキレたりする。
それはしょうがないこと。
親の役目は、そこでうるさいとキレるのではなく、抱きしめたり「すぐそばにいるよ」と言って愛情を注いであげること。
共感力を育てるために、他の人がなぜ怒っているのかを考える機会を与えること。
そして、学業やスポーツの成績だけで子供の成功を判断するのではなく、子供がやりたいことや情熱を注ぎたいことをやらせてあげること。