お金持ちになるためには?
人が生きている限りお金をどう貯めるかを考えなければならない。
老後2000万円貯めるべきと国のお偉いさんが言っていたが、何も対策しなければ達成することは難しいだろう。
人は生きている限り、住宅ローン、投資、教育費、などの大きなお買い物をするかどうか悩む時が来ると思う。
そんな時に読んでおくべき本を見つけた。
「お金持ちになれる黄金の羽の拾い方」、橘玲、幻冬舎文庫、平成29年8月発行。
日本人の取り続けてきた大きなリスク
誰でも家を買う時に組む住宅ローン。
1971-1991年までで地価は5倍から8倍まで値上がりした。
日本人はレバレッジ(テコ入れ)をかけて不動産を買うことで資産を増やしてきた。
例えば、1000万を頭金にして、5000万円の土地が買えたわけです。
5000万年の土地が値上がりして2倍になれば1億円。
1000万を投資して1億円の資産を手に入れたので、レバレッジは10倍。
しかし、バブル崩壊によって土地の値段は一気に下がりました。
土地を買えば儲かると言う勝利の方程式は通用しなくなったのです。
レバレッジをかけることで、資産価値が下がれば5倍のスピードで元本を失ってしまうのです。
例えば、90年前後に1000万円の頭金で5000万の家を購入したとする。
現在の家の資産価値が2500万だとすると1500万円の赤字です。
普通のサラリーマンでは返済はほぼ不可能になります。
これが住宅ローン破産者が増えた理由です。
住宅ローンの返済は貯金ではない
600万円貯金のあるAさんとBさんがいたとしましょう。
Aさんは頭金600万円で、3000万円を住宅ローンで借りて家を買います。
住宅ローンは毎年150万円返済するとしましょう。
10年経過した時点で1500万返済することになります。
1500万 + 600万 = 2100万
600万円をそのまま持っているよりも得に見えます。
しかし、住宅ローンの金利を考えると、10年で元本の返済ができているのは500万。
2400万 ー 500万 = 1900万が負債です。
さらに住宅の価値は10年で下がり続けます。3000万円から2500万円ほどに下がるとします。
すると2500万円 – 1900万 = 600万円となり、銀行に600万を預けているBさんと資産の額は変わらないのです。
市場全体に投資すべし
ノーベル賞を受賞したマーコヴィッツによれば、最も効率的なポートフォリオとは市場全体に投資することだ。
要するに、TOPIXやS&P500のような市場全体の動きに連動するインデックスファンドに投資しなさいと言うことです。
ファンドマネージャが運用する投資信託をアクティブ運用、一切の恣意性を排除して株式市場のインデックス(=効率的ポートフォリオ)で運用する投資信託をパッシブ運用と呼びます。
パッシブ運用の方がアクティブ運用よりも、手数料の分だけパフォーマンスが高いことが分かっています。
つまり、アクティブ運用は手数料コストがかかるため、アクティブ運用に投資することはファンド会社に手数料を寄付するのと同じなのです。
ファンドマネージャの存在意義がなくなるので、証券会社にとっては耳の痛い話ではありますが。