「結婚しない男たち」、荒川和久、を読んでみました。
結婚できないではなく、結婚しない。
世の中では独身男と聞くと、低収入、マザコン、潔癖症、引きこもり、オタクなどのネガティブな言葉のオンパレードだ。
しかし、中にはしっかりと働いていて、一人暮らしをし、自立している男性もいる。
本書では、この自立している男性のことをソロ男として名付け、調査・分析をしている。
著者もソロ男だ。
調査結果からソロ男に関して以下のことが分かった。
- 常識人である。常識をわきまえた行動をし、礼儀や作法を大切にする。
- 時間を守る
- キレイ好き
- 承認欲求が強い
- 1つのブランドを買い続ける
- 流行りものは買わない
- 頑固であまのじゃく、何かと面倒くさい
- コンビニで、お菓子、カップ麺を買いたがる
- 風俗利用率が高い
- しっかり貯金している(ソロ男の平均年収は511万円、非ソロ男の平均年収は541万円)
- 本や映画が好き
- 本を買って読む(漫画だけでなく、テキスト系の読書が多い)
- こだわりの趣味を持つ(ギター集め、全国郵便局巡り、きのこ集め)
読んでみての感想
以上の特徴を踏まえると、今までの結婚できない男性のイメージとは違う姿が見えてくる。
しっかりと稼いでいるし、綺麗好きで、常識人だ。
こだわりが強い面もあるが、趣味に没頭することで人生を謳歌している感じもする。
結婚するのが当たり前という風潮の中で、このように自分の世界を持ち人生を楽しむ生き方が今後増えていくのかもしれない。
生き方は人それぞれだし、どのように生きても他人に迷惑をかけさえしなければ問題ないと思う。
しかし、この本のソロ男は高スペックな集団を選んでいるように思える。
ソロ男=一人暮らしをして働き、親から支援を受けていない独身男性
と定義するなら、ソロ男の平均年収は500万を超えるだろうか。
バブルが終わり非正規社員が3倍にも増加している現代において、500万の年収がある独身男性は少ないと思う。
確かに高年収であえて結婚をしない人達もいるだろうが、低年収で結婚できない人もたくさんいると思う。
少し独身男性に肩入れしすぎだよなぁとも思いつつも、従来のネガティブなイメージだけで独身男性を見るのは良くないと思いました。