「凡人 役満狙いしないほうが人生うまくいく」、ひろゆき、宝島社、読んでみました。
概要
- 好きなことをして生きていこう、みたいな考え方はそもそも難しい。アニメーターやゲーマーのような職業は待遇が悪いので、好きだからといってその職種についてはいけない。やっていて苦ではないくらいの仕事が天職である。
- タワマンに暮らすなどの金持ちの暮らしは単なる浪費。自分へのご褒美のような行為は愚行である。車やカメラのようなものが欲しくなったら1ヶ月待ってみよう。車やカメラの情報を集めているうちに満足するかもしれない。
- 年収400万円以降は増えても幸福度は変わらない。サブスクが普及しているおかげで映画など安くみられる時代。
- 趣味は買い物と答える人はヤバイ。幸福をお金でしか買えなくなっている。歯を毎日磨いていることを褒めて自信を持とう。
- 日本は目先の利益をとって外国人労働者を多数受け入れているが、省人テクノロジーを開発したほうが良い。
- 勉強させずに小学生にYoutubeをやらせる親はアホ。
- インフルエンサーの言葉を信じて、大学を中退しているアホ。
- 彼女を作らずにデモに参加している30歳独身男。
- 世界中で起きているKKO(キモイお金のないオッサン)やインセル(自分自身をブサイクだと思い、女性を憎んでいる男性)の問題。
- オンラインサロンや仮想通貨のカモになる人たち。
- 社会のそれなりのポジションは大卒者。
感想
この本は章の初めに漫画がついていて、その後で文章による解説が始まる形です。
とても読みやすくて楽しい本。
さて、本のタイトルである役満狙いしない人生とは何のことでしょうか。
本の中では、給料が上がったので六本木のタワマンに住む女性が出てきます。
さらにこの女性は引越しをした自分へのご褒美としてバッグなどの高級品を買ってしまいます。
お金がなくなっていく焦燥感に終われ、最終的には彼氏とも別れてしまいます。
一方で、給料は高くないながらも、百円のハンバーグやネットフリックスでささやかな楽しみを得ているカップル。
インフルエンサーを信じて大学を中退しオンラインサロンに入会する若者。
大学を中退したおかげで安月給の仕事しかなく、最終的には焼き鳥屋の店員になっています。
一方で、大学を卒業し自分の満足の職場に転職できた若者が登場。
この二人の行き方は対照的ですが、幸せなのは後者でしょう。
アニメーターやプロゲーマーのように自分の好きなことを職業にできた人は幸せそうに見えますが、年収はとても少ない。
とても結婚して子供を養っていけるような給料ではありません。
自分の好きを仕事にするよりも、やっていて苦ではない仕事が天職であるとも話しています。
この本が通じて言いたいのは、人生に楽して儲ける方法などなく、妥協して生きていけということ。
やりたいことや好きなことを仕事にする、お金持ちになる、タワマンに住む、仮想通貨で儲ける、オンラインサロンで一発逆転、Youtuberでお金持ちに。
世の中にはこのような甘美な言葉が溢れかえっています。
情報化社会になった今だからこそ、SNS等を通じて毎日ようにこのような言葉が目に入ってくる。
でもちょっと立ち止まって考えてみよう、そんなうまい話はない。
自分の好きなことを仕事にできなくても、年収400万円でも、タワマンに住めなくても、人は幸せに生きれるのです。