「俺のイタリアン、俺のフレンチ ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方」、坂本孝、2013年4月発行、商業界
概要
俺のイタリアンでは、原価を「じゃぶじゃぶ」かけて料理を作っている。
原価率が8割になってもお店が回るようになっているのだ。
そのヒントは回転率にある。回転率が4であれば、フード原価率が80%でも収益がとれるよう計算されている。
この考え方は安田理論と呼ばれ、この会社の羅針盤となっている。
この理論によって、ミシュラン星付きの料理人を招いて高級な食材を使った料理を安価な値段で提供するのが可能になった。
著者は社員第一主義で社員が幸せにならなければお客様を幸せにすることはできないと考えている。
また、社員の物心両面の幸福を求める、利他の精神、など稲盛和夫のフィロソフィの影響を受けており、稲盛塾の会員でもある。
調理専門学校を出た人が10年後料理界に残っているのは1割だと言われている。
原価と品質を安定させるためにコックが必要なくなり、セントラルキッチンで効率化をするようになる。
不況になると原価や料理人の給与の見直しが行われる、と愚痴をこぼす料理人が多い。
飲食店が企業になると、品質の均一化のために調理済み料理や冷凍食品を使い味が落ちる。
1990年、日経平均が3万8千円から落ちていく不況の中でもブックオフはやっていけた。
本は不況に左右されないのかもしれない。
ブックオフはフランチャイズで広がることになるが、これはテレビや本で見た人から加盟店にさせてほしいという要求からだ。
新刊書店を始める場合には、2億円弱の資産が必要になるが、ブックオフは3000万円で開始できる。
ブックオフのビジネスモデルはシンプルで、1000円の本を100円で仕入れて500円で売る。
3冊以上同じ本が溜まったら100円にする。
フランチャイズで有名なのが、モスバーガーとオートバックス。
モスバーガーは3年待たないと加盟店になれなかった。
感想
この前ブックオフに行ったときに本が100円で売られていて感動し思わず6冊買ってしまいました。
本を安く買えるのは本当に幸福なことだと思います。
俺のイタリアンもこの前行ってきました。
ウニを使った前菜や、トリュフを使ったピザ、などがとても安価な値段で提供されていました。
大きめのティラミスが380円だったのも驚きです。
満腹するまで食べましたが1人4000円程度で安いと思いました。
ブックオフも俺のイタリアンも作ったのはこの本の著者、坂本氏です。
稲盛フィロソフィにある「利他」が実践されており、まさにお客さんのために作られたお店だと感じました。
高級料理を低価格で提供するための秘訣は、回転率。
回転率を上げれば原価率が高くても回るようになっている。
良く考えられたものだなぁと感心しました。