「ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術」読んでみた

「ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術」、岡田尊司、を読んでみました。

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はじめに

  • 愛着は幼いころの養育者との関係で作られる。愛着が安定していると、対人関係全般が安定しやすく、ストレスへの抵抗力が高い。
  • 人格(パーソナリティ)は、遺伝子による発達特性と、養育による愛着スタイルの両方が合わさってできるものである。

1章 ストレスに負けない生き方

  • オキシトシンは愛情ホルモンであり、子育てや愛情生活において重要な役割を果たす。オキシトシンの働きが悪いと、子育てに無関心になったり、うまく子育てができない。
  • オキシトシン受容体の数を左右するのが、幼いころに愛情豊かに育てらたかどうか。
  • 養育環境に恵まれた子供は、不安やうつに対しても抵抗力が強い。
  • 膨大なデータなどのテクノストレスと呼ばれる環境ストレスは、前頭前野の機能低下、意欲、性欲低下を引き起こす。
  • 「うつ」で受診する人の多くは、適応障害。気分安定薬と抗精神病薬を投与されるが、ますます体がだるくなり、本当の病人になってしまう。
  • 自分だけでなんとかしようとする、自分の弱みをみせて相談するのが苦手な人ほど適用障害を起こしやすい。
  • 安全基地となる存在は、必要な休養を与え、失敗しても責めず、根気よく回復を見守る。

2章 「生きる意味」と適応

  • アドラーにおける適応とは、個人が他人に優越しようとする欲求と、社会において所属の場を見つけるという課題の中でうまく妥協すること。その場合に重要になるのが、「共同体感覚」。共同体感覚とは、自分の利益だけでなく、相手の利益を考えること。
  • アドラーが第1次世界大戦に軍医として従軍したときに、戦争神経症になりやすい人や回復が悪い人には、ある共通点がった。それは、他人とのつながりや仲間意識が乏しいということである。つながりや仲間意識は強いストレスから精神の健康を守る。
  • 愛着スタイルは、乳幼児期で土台が築かれ、青年期にはほぼ出来上がる。愛着スタイルは、対人関係の持ち方を左右するだけでなく、ストレスへの敏感さにも影響を及ぼす。
  • 愛着の障害は、普通の家庭で育った子供でも1/3程度に不安定なパターンが見られる。
  • オキシトシン受容体が豊富に存在する人では、人と親密な関係を持ちやすい。
  • オキシトシン受容体が少ないと、不安を感じやすく、自律神経系も過剰に興奮しやすい。

6章 学校で起きやすい適応障害

  • ピカソは幼いころ文字が読めないなどの学習障害があったが、親がスケッチブックや絵の道具を与えたため、才能が開花した。適応障害はその環境が合わないというサインであり、それに対応すればその子にあった環境で可能性が開かれていく。
  • 野口英世は幼い頃いじめで学校に行けなくなった。母親は、どじょうとりを手伝おうとした英世に対し、自分が子供のために働いていること、子供の勉強を楽しみにしていることを話した。いじめられていることに対しても、母親の不注意で済まないと謝った。

7章  職場で起きやすい適応障害

  • 容量オーバーを防ぐために5分くらいの間、目を閉じて神経を休めるのが有効。
  • 制限の強いグループと自由度の高いグループでは、前者の方がストレスが多く、過労や心身症を示しやすい。

8章 家庭生活で起きやすい適応障害

  • 「いや違う」「でも」といった思考が、その人の幸せや可能性を邪魔している。「でも」の代わりに、「私もそう思っていたんだ」と答えるだけでよい。
  • 応答性を高める。相手が何かしたらこちらもリアクションする。相手がしていることに感心を向け、一緒に反応する。
  • 共感性を高める。結果ではなくプロセスを評価する。

感想

愛着スタイル、オキシトシン受容体のような言葉が多用され一見難しい内容の本に思えるが、大事なのは小さい頃に愛情をもって育てられた人は不安、うつ、ストレスに強く、対人関係も安定しやすいということだ。子供の頃の経験が大人になってからのストレス耐性やうつ病のなりやすさに影響を与えることは初耳であった。あと、すぐに実践できそうなのが、「でも」を使わないこと。「私もそう思っていました。」と話すことで武装解除する。部下に仕事を与える際には自由度を高く裁量を多めにすることも勉強になった。

最初にこの本のタイトルを見てストレスと適応障害と書かれていたので、自分には関係ないかと思った。しかし、読んでいるうちに私にも関係があることが分かった。対人関係のトラブル、膨大なデータに晒されることで感じるストレス、環境に合わずに発生する適応障害、これらは何も特定の人に限られる問題ではない。誰でも直面する可能性があり対処する必要がある。