最近、「企業に就職するのって間違っているよね」とインフルエンサー(Twitterのフォロワー数が多く影響力のある人)の人が言っています。
理由としては、
- 会社は給料が大して上がらない
- 満員電車は苦痛
- 10年後に会社が存続しているか分からない
などの理由が述べられています。
そういう彼らは、企業に就職する代わりに、プログラミングを学んでフリーランスになったり、Youtubeやブログで稼ぐ、などの方法を推奨しています。
インフルエンサーの言葉を真に受けて大学を退学、彼らのオンラインサロンに入って学ぶ人もいるそうです。
はたから見ていると、真に受けて大学や会社をやめる人は可愛そうだと思います。
この世の中には騙される人と騙す人がいて、騙されている人はそのことに気づいていないのです。
この場合、騙す人=インフルエンサー、騙される人=インフルエンサーのいう事を鵜呑みにしている人、です。
ここでインフルエンサーの主張をもう1度整理してみますと、
「企業や大学に行っても未来は暗いから、自分で稼ぐためにYoutubeやブログを始めよう。」
と言っているわけです。
これがいわゆるポジション・トークというやつですね。
自分の立場を利用して自分が有利になる事を発信しているのです。
1度立ち止まって以下のことを考えてみます。
- ブログやYoutubeで稼げるのは本当なのか?
- なぜ彼らはこのような主張をしているのか?
まず1番。
生活するほどの額を稼ぐのは難しいでしょう。
稼げる人もいますがそれはごく1部で、数年単位の長い年月が必要になります。
大多数の人は途中で諦めて辞めます。
次に2番。
インフルエンサーが大学や企業を辞めさせて、ブログ、Youtubeを始めさせようとするのは自分の信者を増やすためです。
大学や企業を辞めた人はブログやYoutubeでの稼ぎ方を知りませんので、定期的にインフルエンサーのブログやYoutubeを見に行くようになります。
そうすると彼らのブログやYoutubeのアクセス数が増えて儲かります。
オンラインサロンを開いて信者からお金をもらうインフルエンサーもいます。
つまり、彼らの手口としては次のようになるんですね。
- インフルエンサーは稼いだ額を公開する(数億円)
- 同じようにやれば儲かると言って信者を増やす
- 信者がインフルエンサーのブログ、Youtube、オンラインサロンにアクセスしたり入会する事でインフルエンサーは儲かる
インフルエンサーは他の人が儲けるかどうかなんて興味ありません。
自分が儲けるために一般人の人生である企業への就職を批判し、自分の信者を増やそうとしているのです。
私も企業勤なので、サラリーマンがストレスフルなのはよく分かります。
ストレスフルな生活の中で、インフルエンサーの提唱するストレスフリーな稼ぎ方は夢のような方法です。
甘い蜂蜜に多くのハチが群がるように、お宝の噂があればそこに群がりたくなるのも分かります。
しかし、よく考えてみるとそんなうまい話は世の中にないことに気づくと思います。
私は何もブログやYoutubeをやることを批判しているわけではありません。
(実際私もブログをこうして書いているわけですし。)
大学に入ることや企業に就職することは一般人の正当なキャリアであり、それを真に受けない方が良いと思うのです。
大学も企業も1度辞めたら戻るのは難しいです。
日本では大卒の資格がないと、良い企業には入れません。
大卒と高卒で生涯賃金が4000万円ほど違うとも言われています。
なんだかんだ言って大卒という下駄は日本では武器になります。
企業は確かに理不尽なことも多いですが、保険や年金などを保証してくれますしフリーランスなんかよりもずっと安定しています。
有給ももらえますし、企業で働いてみて得られるスキルって意外と多いと思います。
一発逆転を狙ってギャンブルに走るのではなく、現状の待遇に満足すること。
企業勤でもタワマンに住むとか高級ブランド服を買うとかしなければ、楽しく生活できます。
老子の言葉「足るを知る」の通り、人と比較して羨ましく思うのではなく、自分がこれまでに手に入れたものを1度考えて現状に満足すること。
それが幸せへの第一歩です。