奥田イズムがトヨタを変えた

奥田は「これからはスモール・コンパクトが市場の主体になる」と予測。NBC(ニュー・ベーシック・カー)車体を採用したヴィッツを販売した。販売6ヶ月で10万台を売り上げ過去最速記録を達成した。

日野自動車やダイハツの持ち株比率を上げた。その背景にはダイムラーとクライスラーの合併がある。世界企業から日本の関連企業を守る意図があった。

必要なものを必要な分だけ生産する「ジャスト・イン・タイム」方式、緊急時にラインが自動的に止まる「自動化」。この2つの柱と実際のモノのやり取りを「かんばん」で支持するトヨタ生産方式は高い評価を受けてきた。これに加えて、「カスタマー・イン」と呼ばれる方式を生み出した。顧客から受注した車を販売店に納めるまでの期日を管理する。

トヨタは金融業にも力を入れている。トヨタの地銀並みの収益力を背景に、トヨタファイナンスを通じて残価設定ローン(3年後の中古車としての下取り代金を購入金額から差し引く)、住宅ローン、クレジットカード事業を手掛けている。北海道拓殖銀行が破綻した際に資金繰りが行き詰まった販売店に融資した。デンソーやアイシン精機の転換社債を積極的に購入している。

ヴィッツの生産コストを減らす取り組みも面白い。ヴィッツのエンジンの主要部品であるインマニはトヨタ系列ではなく、広島県の大協のものを採用した。同社のインマニは樹脂製で低コストで生産できる。大協のような新規取引先を発見できたのも、トヨタが開発方法を変えたからである。従来は開発の段階で設計書を提示して、部品会社の試作品を比較して発注していた。開発の段階で部品会社のアイデアを取り入れるように見直した。

部品のモジュール化も生産コストを減らす取り組みの1つだ。インパネ(ダッシュボード)をラインの横で事前に組み立てることでラインの工数削減につながった。

車台(車体の床の部分)を、複数車種で利用することでコスト削減を実現した。1つの車台を開発するのに100−200億円かかるため、車台を統一化することで将来的には数千億円の費用を削減できる。

ウェストバージニア州の工場TMMWVでは、カローラ向けのエンジンを作っている。従業員の採用では2百人の定員に対して3万人もの応募があった。TOYOTAのネームが入った服を工場の外に着て行かないように従業員に注意している。

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