ツイッターノミクス(TwitterNomics)読んでみた

ツイッターノミクス、タラ・ハント、文藝春秋、2010年3月発行。

本書の題名はツイッターノミクス、ツイッターとエコノミクスを掛け合わせた造語だと思われるが、内容はツイッターに関することだけではない。SNSツールを使いこなしてビジネスを発展させるwebマーケティングに関する本である。今では聞かなくなったが10年ほど前にはweb2.0という言葉が流行った。ブログやTwitter、ポッドキャストなどのツールが流行り始めた頃だ。

この本の中心となる概念はソーシャル・キャピタルだ。wikipediaで調べてみると以下のように記載されている。

ソーシャル・キャピタル(Social capital、社会関係資本)は、社会学、政治学、経済学、経営学などにおいて用いられる概念。 人々の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることができるという考え方のもとで、社会の信頼関係、規範、ネットワークといった社会組織の重要性を説く概念である。

簡単にいうと、友達の輪、ネットワーク、人脈のことだろうか。

このソーシャル・キャピタルは、本書ではウッフィーと呼ばれている。オンライン上で情報を発信することでウッフィーは得られる。例えば、Aさんが本を読んだ感想をブログに記載してTwitterで呟く。そのツイートをみた人が拡散、たくさんの人がブログの記事をみて中には本を買った人もいた。本の著者は本を紹介してもらえて嬉しいし、読者も有用な本が読めて嬉しい。まさにWin-Winであるが、このAさんのブログ記事を書くという行為がウッフィーを得るための行為なのである。

ちなみにウッフィーという言葉だが、未来の貨幣としてカナダのSF作家が使用していた。

インターネット上での評判、信頼、尊敬に基づく価値・評価。
[補説]カナダ出身のマーケティングコンサルタント、タラ=ハントが、ウェブ2.0以降のインターネット上のビジネスで成功するための、貨幣に替わる新しい価値として取り上げた概念。人々に喜ばれる情報やサービスを提供し、多くの口コミを通じて信頼や尊敬を受ければ、ウッフィーが増えて成功につながるとされる。元は、カナダのSF作家が自著の中で未来の貨幣単位として用いた語。(ウッフィーとは

2010年に未来の貨幣とは上手くいったものだが、2020年の現在確かにウッフィーは貨幣の同程度の価値があると考えても間違いはないだろう。最近聞くようになったインフルエンサーという言葉をご存知だろうか。インフルエンサーが紹介した本や情報商材は飛ぶように売れる。なぜ売れるのかと言えば、インフルエンサーがオンライン上で多くのユーザに信頼や尊敬を受けているからである。たくさんのウッフィーを持っている人は有益な情報を発信することでさらにウッフィーが集まり、自身のTwitterのつぶやきやブログのアクセス数が増加してお金が降ってくる仕組みになっている。まさにウッフィーは現代の通貨ではなかろうか。

私がウッフィーを身近に感じたのは、グーグルアドセンスを始めた時である。グーグルアドセンスは、ブログのアクセス数やクリック数に応じてお金が入ってくる仕組みである。ブログで自分が体験したことを発信し、グーグルの検索エンジンに評価され(ウッフィーを多く持っているブログなら評価されやすいだろう)、検索順位が上がる。そうすると、多くのユーザがブログにアクセスするようになり、それに応じてお金が降ってくる。私はブログが読まれているだけなのに、お金が発生する仕組みが魔法のようで不思議に感じた。しかし、この本を読み終えて思うのは、グーグルアドセンスが、ウッフィーを貨幣に結びつける良い例なのだと思う。