5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人

5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人 ドイツに27年住んでわかった 定時に帰る仕事術 (SB新書) (日本語) 新書 – 2017/10/6

付箋数:9

満足度:★★★★

ドイツ人の理想的な働き方

日本でお馴染みの社畜という言葉。

電通の高橋さんが過労死自殺したことも記憶に新しい。

過労死という日本独自の言葉は日本の労働環境が如何に酷いかを物語っている。

そんな酷い労働環境の日本と定時でサッサと帰るドイツ人の働き方や労働生産性を

比較したのがこの本である。

ドイツでは、1日10時間以上働いてはいけないし6ヶ月の平均労働時間は1日8時間以内にしなければならない。

さらに、毎年30日以上の有給休暇が与えられ100%消化できる。

夏休みは2週間以上あり、家族でバカンスに行くのが恒例化している。

部下が長時間残業したことが発覚すれば、上司はポケットマネーで罰金を払わなければならない。

それでいて、ドイツの労働生産性は日本の1.5倍である。

短い時間で成果を出すドイツ人の働き方を日本人も見習うべきであると思う。

日本では年間の残業時間は720時間(1ヶ月平均60時間)以下にしなければならないルールがあるが、

ドイツの法律と比べると非常に甘い。

逆に言えば残業して月に60時間も働くのを国が許しているのである。

日本の法律は1ヶ月や年間という長い単位でしかルールを定めていない。

ドイツのように1日何時間というように短いスパンで厳密に定めた方が良い。

木を見て森を見ずの日本

そもそも日本人は「滅私奉公」の気持ちが強すぎる。

第二次世界大戦では「お国のために」と死んでいった神風特攻隊。

戦国時代には武士が命をかけて将軍のために戦った。

織田信長の部下だった徳川家康は、信長の命令で自分の妻と子供を殺した。

真田幸村は死に様を求めて大坂の陣で徳川家康に戦いを挑んだ。

元々自分を犠牲にして戦ったり、働いたりするのが日本人の気質なのかもしれない。

しかし、本来働くことは手段であって目的ではない。

本田宗一郎の言葉で私の好きな言葉がある。

「君たちは企業のために犠牲になるな。自分の生活をエンジョイするために働きに来るべきだ。

いかにエンジョイすべきかということの大きな課題を背負っておれば、互いに愉快に工場で働けるのじゃないのか。」

ドイツ人は働くことが手段であって、目的ではないことをしっかりと認識している。

ヒトラーは第二次世界大戦でユダヤ人などを虐殺した。その数は何百万人とも言われている。

人殺し用の工場を作って虐殺をしたのは長い歴史を見てもドイツ人だけである。

このような教訓から、ドイツ人は人権を非常に重く考えるようになった。

「木を見て森を見ず。」

ドイツ人にとって人の命は森、それ以外は木である。

その証拠に、日本で2011年に原発事故が起きた直後に原発廃止を決定した。

人の生活を脅かす原発は手段の1つに過ぎずそれが人類にとって危険であればすぐに

廃止する考えを固めた。

大事なのは人(森)であって、電力(木)ではない。

サービスの質が低くて良い

日本はサービス精神に溢れているという。

日本でお菓子を買えば、お土産用の袋をつけてくれる。

雨が降っていれば、ビニール袋をつけて雨にぬれても大丈夫なようにしてくれる。

コンビニは24時間やっているし、スーパーは夜遅くまでやっている。

ドイツでは24時間営業している店はなく、スーパーやデパートは午後8時には閉まる。

サービスなど皆無で、レストランでは皿を渡してほしいと客にお願いすることもあるそうだ。

果たして過剰なサービスは必要なのだろうか?

24時間やっているコンビニ、夜遅くまでやっているスーパーは必要なのだろうか?

人件費を削り、働いている人の幸福を考えた方がよっぽど良いと私は思う。