大江戸省エネ事情

大江戸省エネ事情、講談社文庫、石川英輔、2013年1月発行。

メモ

  • 敗戦後の2,3年は白米だけのご飯を銀シャリと呼んだ。ただの白いご飯が贅沢な食事だった。
  • 昭和30年頃までは太りすぎで悩む人はほとんどいなかった。
  • 昭和35年には池田首相の所得倍増計画によって高度経済成長期となり、エネルギーの消費量も増えた。
  • 江戸時代には熱い甘酒などを暑い夏にも飲んだ。
  • 江戸時代の都市では商店に行かなくても大抵の食品は手に入った。移動式レストランや調味料を売り歩く人がいた。
  • 江戸で棒手振り(ぼてふり)は、魚の行商人のこと。鮮魚の市場を魚河岸(うおがし)と呼び、江戸の魚河岸は日本橋にあった。関ケ原の戦いと徳川家康征夷大将軍宣下の結果、江戸の人口は急激に増え、大きな卸売市場になった。
  • 冷凍や氷が使えなかった時代、鮮魚を食べられたのは海岸に近い地域に住む人だけだった。
  • フランスはヨーロッパ最大の農業国。18世紀末フランス革命では民が「パンをよこせ」と叫んだ。稲作よりも小麦は生産性が低い。
  • 昭和20年、敗戦直後は味がないサツマイモが配給された。
  • 昭和40年(1965年)では食料自給率は73%もあった。
  • 10万キロカロリー時代の日本人は食べられる食料の30-40%をゴミとして捨てている。
  • 文政13年(1830年)、人口3000万人の1/6が伊勢神宮に行ったとされる。
  • 無銭旅行をする人は、柄杓(ひしゃく)に施行(せぎょう、銭や品物)を受け取って旅をしていた。
  • 江戸時代の東海道の旅では、江戸から京都までの502キロを14泊かけて歩いた。
  • 東海道新幹線が開業したのは昭和39年(1964年)。
  • 日本の国土面積の66%が森林に覆われている。アメリカは23%、ソ連が35%。人口密度が高い日本としては驚異的な数値である。
  • エアコンは室内の熱を外に出しているので、室内は涼しくなるが室外の気温は上昇する。
  • 昭和39年に東京オリンピックがあった。

概要

江戸時代は一人当たり0キロカロリーのエネルギー消費だったが、現代では一人当たり10万キロカロリーのエネルギーを毎日消費している。

私たちは石炭や石油などの化石燃料を使用して作られたものを食べ、エアコン、テレビ、電子レンジなど、現代の家庭では数えきれないほどのエネルギーを消費している。

捨てる量も膨大だ。

食料の30%は捨てられている。

可燃ごみは燃やされCO2が大気に排出されているが、バイオマスと異なり植物に吸収されることは2度とない。

燃やせないゴミは東京湾に埋められるが、埋め立て地はもうすぐ一杯になる。

必要のないものを大量に生産し使わずに捨てる。

その過程で使用されるエネルギーは膨大だ。

食料が溢れることで人間の体重も増え、糖尿病や成人病を引き起こしているため、健康にも悪い。

感想

この本を読むと江戸時代と現代のエネルギー事情が分かる。

エネルギーをジャブジャブ使って生活している私達は一見幸せに思えるが、環境や健康に悪いという認識を持つ必要がある。

SDGsという言葉が世界で叫ばれ続けているが、なぜ現代においてSDGsが必要なのか、この本を読むと分かります。

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