「小さな習慣」、スティーブン・ガイズ、読んでみました。
概要
- 腕立て伏せを毎日1回やる小さな習慣を行った
- 何度も同じ行動を繰り返すことで専用の神経回路を作りそれを強化していく
- 行動が習慣になるまでにかかる日数は18日から254日
- 行動の45%は習慣として自動的に行っているもの。新しい健康的な習慣を身につけてしまえば、何をするのもずっと楽になる。朝起きたらヘルシーな食事をとり、毎朝きちんとジムに通う。ほんの少しの努力で正しい行動が取れるようになる。
- 脳のパターンを認識してそれを繰り返すのが大脳基底核(ダイノウキテイカク)。何かをした時の結果や長期的な利益を理解できる脳の司令塔が前頭前野(ゼントウゼンヤ)。
- 前頭前野を含む前頭葉(ゼントウヨウ)が破壊された人は、目の前の人の行動を完璧に真似る。それがどんなに変な行動であっても。
- 行動が習慣に変わる時には、感情はなくなっている。
- 被験者にチョコレートとラディッシュを与えた後にパズルをやらせたところ、ラディッシュを食べた人はチョコレートを食べた人の半分以下の回数しかパズルを解こうとしなかった。チョコレートではなくラディッシュを食べなければならなかったことが、パズルのやる気を奪ってしまった。これを自我消耗と呼ぶ。
- 自我消耗を引き起こすのは、努力、困難の自覚、否定的な感情、主観的な疲れ、血糖値であることがわかった。
- 猫を雪の上に置いたらびっくりして家の中に戻ってしまった。地上と雪の境界に置いたところ辺りを模索する行動を見せた。人の脳も同じで大きな変化に直面すると逃げる。
- 小さな習慣は自己肯定感を高めるトレーニングになる。
- たまに30回の腕立て伏せをするより、毎日1回する習慣の方がずっと優れている。習慣になった行動だけが強化され進歩していくから。
- 1日に一杯の水を飲む習慣であれば、他の時にもどれだけ水を飲んでいるかを常に意識するようになる。小さな習慣によって、マインドフルネスと呼ばれる「気づき」のスキルが身に付く。
- 小さな習慣は全部合わせても10分以内で終わるものにする
解説
毎日、腕立て伏せ1回、50文字書く、2ページ本を読む。
著者はこの驚くほど小さい習慣を続けました。
毎日腕立て伏せ1回は最終的には週3回のジムという大きな習慣につながりました。
人の行動の45%は習慣によって自動的に行われています。
その習慣を繰り返すのが脳内の大脳基底核と呼ばれる部分。
大脳基底核は同じパターンを繰り返し最適化します。
習慣化した行動というのは、大脳基底核によって行動が繰り返し行われ最適化されている状態のこと。
習慣化された行動は、大きな意志の力を必要とせずに自然と行うことができます。
人は何か目標を立てる時に大きな目標を設定してしまいがちですが、大きな目標は現在の自分の能力と大きなギャップを認識させることにつながります。
この大きなギャップによって人は主観的な疲れを感じるようになり、習慣化することが難しくなってしまいます。
人は自分のコンフォートゾーンから離れようとはしません。
大きな変化があるとすぐにコンフォートゾーンに戻ってきてしまいます。
雪の中に猫を放り込んだ時と同様に、脳は大きな変化を嫌います。
そうならないためにも、自分と変化の境目を模索することで少しずつコンフォートゾーンを広げていく。
それがまさに小さな習慣なのです。