「仕事に効く、脳を鍛える、スロージョッギング」、久保田競、田中宏暁、読んでみました。
概要
- 前頭前野の中には10野と46野がある。
- 10野は、ある問題を小さなタスクに分解して効率良く進めるための機能。感情のコントロールも行う。おでこの辺りにあり、10野が損傷すると物事を計画して実行できなくなり、怒りっぽく、子供っぽくなる。
- 46野は、ワーキングメモリと呼ばれる。1時的な記憶を保存する場所。ワーキングメモリが多ければ多いほど同時に処理できるタスク量が増える。
- スロージョギングをすると、46野と10野を同時に鍛えることができる。
- スロージョギングは、記憶力、思考力、決断力、仕事の段取り、プレゼン能力、ストレス耐性、睡眠不足、やる気不足、うつ病、生活習慣病、などに効果がある。つまり、走る事で頭が良くなり仕事ができるようになる。
- スロージョギングを2-3週間続けると、寝つきが良くなった、ご飯が美味しくなった、体が軽くなったなどの効果を実感できる。ニューヨーク病院のマクスウェル・マルツによると、人は3週間続けることで抵抗がなくなり面倒なことでも継続できるという。
- 笑顔が保てるくらいのペースで15分走る。
- フォアフット・ランニング=足の指先で着地する。2本のレールの上で走るイメージ。
- 走った後にストレッチをする。脹脛、太もも、アキレス腱を伸ばす。副交感神経を優位にしてスッキリさせる効果がある。
- ジョギングは交感神経を優位にするが、運動後は副交感神経が優位になる。つまり、ジョギングは睡眠の手助けにもなる。
- 人類の祖先である猿人の脳は500gだった。ホモ・サピエンスの脳は1300gと3倍近く進化している。猿人は持久走を始めたことで人間に進化した。
- スロージョギングの消費カロリーはウォーキングの2倍。
- スロージョギングは糖尿病、高血圧、脂質異常症にも効果がある。糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい。
- スロージョギングのペースを変える、起伏の激しいコースを走る、走るルートを毎日変える、美しい風景場所を走る。
- 扁桃核(ヘントウカク)は継続してストレスがかかると大きくなる。情動性が強くなり、いつもビクビクしたり、イライラして短気になる。
- 大都市に住んでいると扁桃核が大きくなることがネイチャー誌で発表された。
- 地中海食は認知症を防ぐ。オリーブオイル、魚介、ナッツ、野菜、ワインを食べると良い。
感想
なんとアマゾンで中古本として37円で売られていた本書。(300円の送料の方が高かった。)
私が買った本の中でもっとも安くて大量の知識を与えてくれた良書と言える。
難しい内容の論文が多数引用されているが、初心者の私にも分かるように解説・説明されていた。
10野と46野の話が面白かった。
10野はタスクを小さく分解して、効率よく物事を進めるのに必要な部位だ。
10野がプランを計画して実行したり、感情をコントロールする。
46野はタスクを同時に実行するためのワーキングメモリ。
スロージョギングでこの2つの機能を鍛えると、実行力、思考力、決断力、ストレス耐性が高まり、仕事ができるようになる。
うつ病や肥満、高血圧、アルツハイマー病などにも効果があり、良い睡眠を取るための助けにもなる。
著者はスロージョギングをすると、原稿のあらすじが書けたり、思考がまとまったりするそうです。
スロージョギングの効果は計り知れないですね。
もっと早くにこの本に出会っていれば、、、と思います。
Let’s スロージョギング。