なぜ人はキレてしまうのでしょうか。
なぜ感情をコントロールできないのでしょうか。
あなたの周りにも怒鳴る、モノにあたる、暴言を吐く人がいますよね。
この記事ではキレる原因を脳科学の視点から考えてみます。
人が怒るとき、戦うホルモンと呼ばれるノルアドレナリンが分泌されています。
神経を興奮させ心拍数を上げるノルアドレナリンの動きによって攻撃の準備をします。
同時に脳は相手からリベンジされることを予測し偏桃体が反応します。
その結果、激しい不快感、恐怖を感じるようになります。
目次
前頭前野が未発達
前頭前皮質の働きが不十分な場合、キレやすくなるケースがあります。
前頭前皮質は自分の行動をモニターして、実行すべきかどうかを判断するところ。
前頭前皮質の動きが悪いと、やってはいけないという判断ができなくなります。
体調不良、寝不足、お酒、薬物によっても、この前頭前皮質のブレーキは効きにくくなります。
前頭前皮質の発達度合いには、経済状況と親子関係が関わってくるという調査結果があります。
経済的に恵まれていない、親の愛情を満足に受けていない、孤立を感じて育った場合は、
前頭前皮質が未発達になる場合があることが報告されています。
心理学者のボウルビィが提唱した愛着理論によると、子供時代に親と安定的な関係を築くことができた人は
大人になってからも安定的な人間関係を築きやすい、と言われています。
子供時代の愛着形成が脳を育てるのです。
「愛着」を形成するために大事なのが、オキシトシンというホルモンで、愛情ホルモン、幸せホルモンと呼ばれます。
オキシトシンが不足すると、前頭前皮質が未発達のままになります。
大人になってからオキシトシンを増やす方法があり、有効なのが皮膚への刺激です。
マッサージを受けると、ストレスが解消され心の安定が得られます。
ペットを抱きしめたり、ぬいぐるみを触ってもオキシトシンは増えます。
セロトニンが不足している
セロトニンは神経伝達物質で、前頭前野の機能を動かすために必要です。
セロトニンを作るセロトニン神経は縫線核(ほうせんかく)と呼ばれる場所にあります。
現代人は、疲労、ストレス、夜型生活、運動不足、コミュニケーション不足で、セロトニン神経の働きが弱まっています。
セロトニン神経が弱まりセロトニンが生成されないことで、前頭前野の動きが悪くなってしまいます。