原油暴落の謎を解く

満足度:★★★(70点)

コロナでマイナス37ドルの原油

2020年4月。

コロナウイルスの影響で原油価格が目も当てられない状態になっている。

4月20日のニューヨーク・マーカンタイル取引所のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)では期近の5月物は前週末比55.90ドル安の1バレル=マイナス37.63ドルで取引を終えました。

1バレル=ー37ドルという前代未聞の値である。

私は4月21日の朝にこのニュースを見て速攻で野村原油(1699)を購入。

成り行きで1口115円で買ったのだが、次の日22日には一口65円まで下がっていた。

あと1日待っていれば、、、。

今回の大暴落の原因は明確である。

コロナウイルスのせいで原油が全く売れなくなったのだ。

2016年の原油価格暴落

このニュースをネットで見ていたら表題の本が紹介されていたので思わず購入。

本書では2016年の石油暴落について詳しく書かれている。

今回ほどの規模ではないが、2016年の年明けにも原油価格が暴落したことがあった。

年末年始に37ドルだった原油価格は2016年1月20日には26ドルを記録したのである。

3週間で何が起こったのか。

  1. サウジとイランの断交
  2. 対イラン経済制裁の解除
  3. 中国の需要減への恐怖感

順番に見ていこう。

サウジとイランの断交により、OPECでは減産合意の可能性はほぼなくなった。

原油を減産しないということは原油の輸出量が増えて原油価格低下の追い風になる。

さらに追い打ちをかけたのが対イラン経済制裁正式解除だった。

IAEAはイランが核開発を大幅に制限したことを確認し、これを知ったEUとアメリカが

経済制裁を解除すると発表したのだ。

経済制裁が解除されると、イランは原油を増産し輸出量が増加する。

さらに中国のGDP7%割れも影響している。

1月19日に2015年のGDP成長率は6.9%であったと発表された。

これは25年ぶりの低水準である。

中国の景気悪化によって世界経済も沈没する。

リーマンショック以来の大不況がおきて原油の需要は減少すると考えた。

原油の供給が増えて、需要が減ると市場の価格は下がる。

このような複数の原因でWTIの原油価格は26ドル台まで下落したのだ。

原油価格はどうなるのか?

本書では原油価格が今後どうなるか予測がされている。

1部を引用しよう。

2015年以降の国際石油会社IOCによる資本投資削減の影響が、何年後かには増加した需要をまかなうだけの供給量が足りなくなるという形で出てくるため、リバランスが視野に入ってくると、価格は上昇する。

アメリカのシェールオイルの新規増産の生産コストが当面の「シーリング」になる可能性が高いだろう。

おしなべていえば、需要増に対応しうる米シェールオイルの新規増産の生産コストは60ドル以上、ということになろう。

つまり、

「原油価格はこれから60ドルくらいまで上昇するよ!」

と言っているのである。

確かにWTI原油は2018年には60ドルを超えて80ドル近くまで上がっている。

今回のコロナの影響で-37ドルまで下がった原油価格だが、今後復活する見込みはあるのだろうか。

歴史が繰り返されるのであれば、今がチャンスなのかもしれない。